前回の技を覚えるプロセスは、盆太鼓の技を覚えるプロセスを説明しましたが、この方法は、他の事にも応用できます。

例えば、サッカーや野球のようなスポーツでも、
①基本的な技をゆっくり、丁寧に動きを確認しながら、やってみます。
②繰り返し練習して、無意識に動けるようになるまで練習します。
③基本的な動きが無意識にできるようになれば、より高度なことに意識を向けることができるようになるので、上達が早くなると思います。

なぜなら、グスタフ・テオドール・フェヒナーという世紀のドイツ哲学者が、「普通の生活では意識が同時に供給できるのは一つの思考と一つの記憶だけである。」と言っているように、基本的な技ができていない状況だと、その基本的な技をすることに意識が行ってしまい、他の事に気が回らないので、それ以上の上達は見込めません。
応用技は、基本技の延長上にあるので、基本技を無意識にできるようにすることで、応用できるようになるのです。

仕事で、考えると、仕事を教わった時に、初めは、その手順ややり方を覚えるのに苦労しながらやっていきます。
しばらく、作業を続けていくと正確に素早くできるようになっていきます。
これは、仕事に慣れてきた状態ですが、言い換えると作業が無意識にできるようになってきたからなのです。
ポイントとなるのは、同じ動きを繰り返すことです。
そうすることで、無意識にできるようになるのです。
もし、毎回動き方を変えたりしていると、無意識にならず、仕事の覚えが悪かったりミスが増えていくと思います。

勉強についても、あてはまることがあります。
数学で、分数や、プラスマイナスの四則計算など、いろいろと教わります。
はじめ聞いたときは、理解するまで、時間がかかりますし、理解しても、問題を解くときに時間がかかったり、苦労して説いていたと思います。
でも、何度も問題を解いたりしていくうちに、簡単に解けるようになっていくと思います。
それは、その考え方というか法則が、概念として頭の中にとらえることができるようになったからだと思います。
言い換えると、無意識に問題が理解でき解けるようになっているのだと思います。
人間、言葉をしゃべっている時に、文法や一つ一つの言葉の意味などを考えずにしゃべりたいことをしゃっべっているかと思います。
これは、しゃべりたいことに意識を向けていますが、文法や言葉の意味などは、概念として頭にあり無意識に文章を構築し、しゃっべっているからだと思います。

上記のように、何かを習得するときの基本的な流れは、共通しているように感じます。