盆太鼓を教えている方の中には、音が合わない、リズムがづれる人がいます。
持論ですが、その原因として、主に次の2つの原因があると思います。
1)技を正確なリズムで叩けていない。
2)音を聞いて、音に合わせて叩こうとしている。
1)技を正確なリズムで叩けていない。
①例えば、「ドドンガドンカラカッカ」と叩く場合、「ドド¦ンガ|ドンカラ¦カッカ」と4拍で叩きます。
しかし、「ドドンガドン|カラカッカ」みたいな感じで、拍を無視して帳尻合わせたような叩き方をする人がいます。
そんな人には、拍ごとに分解して練習して、2拍ごとのフレーズを練習させ、最後に4拍のフレーズを叩くように指導しています。
②また、「ドドンガドンカラカッカ」と叩くことに集中しすぎて、リズムを無視して叩く方もいます。
私がよく言うのは、腕は我がままで、リズムを無視して自分(腕)が動きたいように動く。
しかし、歌は、正確にリズム通りに歌えるので、歌に合わせて、腕を動かすように指導します。
しばらく、歌いながら叩いていると、リズムに合った叩き方ができるようになります。
もうしばらくすると、無意識にたたけるようになります。
そうしたら、歌わなくても腕が、リズム通りに動くようになります。
2)音を聞いて、音に合わせて叩こうとしている。
音に合わせないで、どうやって音に合わせるのかと疑問に思うかもしれません。
TVで見たのですが、人間は、視覚や聴覚など刺激を受けてから、脳で判断し、行動に移すまで、約0.3秒ほどかかるそうです。
つまり、音を聞いてから、その音に合わせて行動すると、0.3秒以上ズレるということです。
音を聞いてタイミングを計りながら音に合わせて叩こうとすると合わないのは、そういった理屈だと思います。
組太鼓のフレーズで、4台の太鼓で、順番に「ドコドン」と打ち、「ドコドンドコドンドコドンドコドン」と聞こえるように叩くものがあります。
この時、前の人の音を聞いてからたたいていると、先ほどの説明の通り、絶対に合うことはありません。
ではどうするか。
実は、他の人の手ごとも自分の手ごとも心の中で奏で、心の中の手ごとで、自分の番になった時に叩いているんです。
野村萬斎さんが、「音を聞いて舞うのではなく、音を纏って舞うんです。」という事を言っていました。
盆踊りの音楽に合わせて太鼓を叩く場合も、耳で聞いた音楽を自分の中に取り込んで、自分の中にも同調した音楽を流し、その同調した音楽に合わせて叩くと、自然と音に合った叩き方ができます。
何度も練習することで、無意識にできるようになります。
そうなると、初めて聞いた曲でも叩けるようになってきます。
